誰もいないと思っていた部屋の中には、先客がいた。
「……ワトソンくん……」
ワトソンは、窓から差し込む月の光の下、椅子にかけたまま身じろぎもせず、この闖入者を見つめて、は、いなかった。
「ワトソン…」
“どうしたんだい、ホームズ?”
柔らかい応えの響きは、己の願望が作り上げた木霊でしかない。
彼の人格をもっとも特徴づける、健全な好奇心と豊かな情緒。それらをつねに雄弁に伝えていた瞳は、今は焦点を結ばず、茫洋と虚空に向けられていた。
用心を忘れ、椅子に駆け寄る。彼の首すじに当てた手が、みっともなく震えた。
最悪の予感に、心臓が握りつぶされそうだった。
「ワトソン」
しかし薄い皮膚の下で、彼の生命力は力強い拍動を刻んでいた。
思わず深く息をつく。
生きている――彼は、生きている!
「いかがですか? 今宵の趣向は?」
背後から、声がかけられた。
てか、いったい何設定なのかと。笑
あー…
ちょっと危険な犯罪者に、うっかりワトソンくんが攫われました。
ホームズくんは、ワトソンくんを取り返しに犯人の屋敷に忍び込みました。的な?
やはり邪ーロッキアンとしては「ワトソンくん危機一髪」は
押さえておくべきポイントかなと。(思わなくてもよろしい)
それにしても文章書くの、むつかしい。
小説書きさん、尊敬します。
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