※ツイッターに投稿した140字スケッチのまとめです。


実写5題



【Optimus Prime】
若いオートボットたちのトランスフォームは軽やかだ。重々しい自分のそれに比べて、まるで踊るように姿を変えていく。生命の歓びそのものが弾けているような動きだな、と思ってから気がつく。彼らは生まれてからこれまで、戦場しか知らないことを。そして、そうしてしまったのは自分だ、ということを。





【Ratchet】
「さあ、ゲーム開始だぜ」若者たちがそう言って出撃していく。馬鹿なことを。この戦争が彼らのゲームならば、消えつつあるスパークをこの世に引き戻すゲームをしている私は連戦連敗中だ。しかし――説教したい気持ちをグッと抑えて、私は彼らを送り出す。「頼むから、私に手間をかけさせないでおくれ」





【Ironhide】
闘いが俺の生だった。闘い破壊し続けて、いつかどこかで自分が破壊されて、そして俺の生は終わるのだろうと、ずっと思ってきた。それで悔いはないとも思っていた。「置いてくぜ老いぼれ!」「アンタらは戦友さ」「もっとあそぼうあいあんはいど」いつの間にか、もっと生きたいと思うようになっていた。





【BunBleBee】
ごく近くで砲弾が炸裂した。轟音の合間にジャズが誰かに話しかけている声がする。「帰るぜ。帰って、ラチェットの説教をくらうんだ。心配すんな。俺も一緒に怒られてやる」「……」小柄な影がおいらを振り返った。「せっかちな野郎だ。さっさと逝っちまいやがった」青いバイザーが、冷たく光っていた。





【Jazz】
「帰るぜ」倒れた仲間の手を握って呼びかける。帰る。一体どこへ帰るというのだろう。俺達の故郷は、この星以外にはないというのに。力を失った腕を静かに置いて振り返る。薄汚れた壁際に黄色い機体が竦んでいた。そうだ。俺はコイツをオプティマスの元まで連れて戻らなければならない。「帰るぜ坊や」








× << >>







SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送