※ ツイッターの即興SSに、スカワ×サンクラでリクエストをいただきました。
※ タイトルは「即興」と打ち込んだら予測変換で出ただけなので、とくに深い意味はありません。
※ AHMベース。






即興曲






 スタースクリームとスカイワープと俺は、同型機だった。
 同じ姿と、同じ顔。でも、心は同じじゃない。
 それでも、三機揃ってディセプティコンに飛び込んだときには、俺たちの思いは、それなりに重なっていたと思う。たぶん。
 だけど、長引く戦争は、俺たちの心にあった小さなズレを、しだいに大きくしていった。
 メガトロンの指導力に疑問を持つスタースクリーム。
 ディセプティコンの暴力性に疑問を持つ俺。
 スカイワープだけは、変わらなかった。メガトロンに心酔し、絶対の忠誠を誓っていた。ディセプティコンとして生きていけるヤツだった。アイツは、馬鹿だった。
 けれどスカイワープは、俺たちの心が、メガトロンから、ディセプティコンから離れつつあるのを、馬鹿なりに感じていた。なにより、アイツは、俺たちのことを愛していた。俺たちは、メガトロンに出会うよりも前から、ずっと一緒にいたから。アイツは、一番の寂しがり屋だったから。
 アイツは、ときどき俺に突っかかってきた。俺のやり方に文句をつけた。メガトロンに素直に追従しない俺に、激しく抗議した。オプティックスに、縋るような光を湛えながら。
 だから。

「裏切り者め!」

 あの、愚かしい乱戦の終わり。
 俺を撃ち抜く瞬間のスカイワープの顔が、憎しみにだけ染まっていたから、安心した。
 俺が消えても、きっとお前の心は揺らがない。
 俺がいなくても、もう、お前は心を揺らすな。
 猛スピードで近づいてくる地面が、視界に入った。
 俺は、俺の心を過った寂しさを押し潰すために、アイセンサーを閉じた。








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